文書の管理
1. はじめに
1-1. 文書のペーパレス化の課題
業務
- 業務ノウハウを蓄積し活用したい
- 関係者が流用できる文書のひな型をデータベース化したい
- ひな型を作るルールを標準化したい
- ペーパレス化したい
- 検索ができるようにしたい
- 担当者のみが詳細を把握している状態の属人化をできるだけ避けたい。
- 同じような文書を担当者が変わる度に作成する無駄をなくしたい。
- ブラウザがあれば業務が完了できるようにしたい
- 遠隔地からも同じ作業ができるようにしたい
- 様式美のためにやっている文書作成作業を軽減したい
- 部署毎の文書作成ローカルルールをなくしたい
- 文書作成コストを下げたい
Word、Excelの課題
- Word、Excelがないと読めない
- バージョン管理がしにくい
- 共同編集がしにくい
- 装飾と文章構造が分離されていない
- 差分が見にくい
- 機械可読性に欠ける
- 検索が難しい
- 大量の文書管理がファイルベースとなり管理が難しい
- ファイルの所在さえも担当者以外わからないことが多い。
- 同じような文書を何度も作成している。
- 文書の内容が多いと文書自体の装飾や編集に時間がかかります。
PDFの課題
- スマートフォンで読みにくい
- 検索性が乏しい
- 編集できない
- バージョン管理がしにくい
- 再利用しにくい
- 機械可読性に欠ける
1-2. 構造化テキスト(Markdown形式1)
マークダウン形式の文書で保管することのメリット
- 文章構造と表示部分が分離された軽量なフォーマットになります。
- 手軽にドキュメントを装飾できるフォーマットが使えます。
- このことにより、流通性が高まり、部署、場所をまたいで利用できるようになります。
- ファイルをダウンロードすることなく、多くの人の目に届けられる。
- ファイルをメール等で送付することなく修正・校正、コメントなどフィードバックを得やすくすることが可能
- システム化が簡易になります。このことにより以下のメリットがあります。
- 文書管理が簡単になり、属人化が避けることで文書資産を幅広く活用できます。
- 部署などの文書作成のローカルルールが公開することで誰もが理解できるパブリックなルールとなります。
- 検索が可能となり、文書の作成時に利用できる。
- ブラウザ上で閲覧可能となります。
- 画像、動画などの管理もシステムで管理・共有・流用できます。
- マークダウンは、PDFやHTMLへも変換は容易にできます。
- 共同編集が可能1となります。
- 文書の履歴管理ができるようになり、最新版の様式をいつも使えます。
- レビューやコメント機能が使えます。
- 既存のWord文書内容の流用ができます。
- 文章構造と表示部分が分離された軽量なフォーマットになります。
マークダウン形式の文書で保管することのデメリット
- 管理するためには、やはりシステムが必要
- マークダウン形式の文書作成に統一するコンセンサスが得られるか(これが最も難しい)
2. システム開発
- 前章で求められる機能を実現できるシステムは、どのようなものかまとめます。
2-1. 要件
- 文書の構文が、自由に作成
- 文書の構文をもとに作成された文書(ページ)は、この単位でマークダウンファイルとして保存
- 文書の編集は、公開・非公開、部署・担当者・業者、プロジェクト毎に閲覧・編集権限の管理
- 全文検索かつ検索結果の制限
- ブラウザ上で閲覧・編集
- 画像(写真)、動画などの管理もシステムで管理・共有・流用
- マークダウンは、PDFやHTMLへも変換
- 共同編集が可能1
- 履歴管理
- レビューやコメント機能
- 既存のWord文書内容の流用
- 地方の県レベルで、毎年最低10万ページ作成可能(システムの拡張性)
- 同時アクセスが1万件程度
- 公開・非公開、部署・担当者・業者、プロジェクト毎に閲覧・編集権限の管理
- データの暗号化
2-2. システムの検証
- 次回は、以下のことについて大まかに検討します。
- システム基盤
- アプリの構造
- マークダウンで様式のサンプル
以上
Markdown(マークダウン) は、文書を記述するための軽量マークアップ言語のひとつである。本来はプレーンテキスト形式で手軽に書いた文書からHTMLを生成するために開発されたものである。しかし、現在ではHTMLのほかパワーポイント形式やLATEX形式のファイルへ変換するソフトウェア(コンバータ)も開発されている。各コンバータの開発者によって多様な拡張が施されるため、各種の方言が存在する。 ↩︎ ↩︎ ↩︎